
|対 象|健保の健診担当者
|設 定|登場する人物と企業の概要



A社の概要
─ ある日、がん検診のことで話があるということで、田中常務理事が理事長室に呼ばれました。

田中さん、最近は高齢化が問題となっている。うちの健康保険組合の加入者は50代、60代の社員が約半数を占めていて、しかも男性が多い。何かの情報番組で、前立腺がんを調べるための検査として、「PSA検査」というのがあり、手軽にがんを発見できると聞いたことがある。うちの加入者でも前立腺の病気で治療している人をよく見かける。うちの会社は男性社員も多く、また高齢化も進んでいるので、今行っている胃がん検診や大腸がん検診に追加して、PSA検査を加えるのはどうだろうか。

ありがとうございます、山田理事長。現在、保健事業部の方でも社員の高齢化に関する調査を進めております。がん検診としてPSA検査を追加する案については、費用や効果の面からも詳細に検討する必要があります。さっそく、調査を進めて報告書をまとめさせていただきます。

よろしく頼むよ。加入者のがんが早めに見つかって治療に繋がれば、本人にとっても、企業や健康保険組合にとっても良いことだからね。
─ 後日、田中常務理事が佐藤を呼び出しました。

佐藤さん、理事長からがん検診にPSA検査を追加する案があった。しかし、この変更について自分だけでは判断できないので、検討してもらえないだろうか。

なるほど、重要な問題ですね。検討しますので、時間をください。
あなたは、A社健康保険組合の保健事業担当の佐藤です。
田中常務理事から「がん検診にPSA検査を追加すること」について意見を求められました。
山田理事長(意思決定者)の思いや健保の置かれた状況に寄り添いながら、職域がん検診マニュアルをベースとした、あなたの立場での見解を説明してください。PSA検査のメリットとデメリット、従業員の負担などを踏まえて考えてください。
【解説】前立腺がんについて、1990年代のPSA検査普及拡大以降、その罹患率は上昇しているが、死亡率は大きく変化していない。

がん情報サービス:国立研究開発法人国立がん研究センター」より引用
【解説】男性の部位別のがん罹患率上位に前立腺がんは入る。

がん情報サービス:国立研究開発法人国立がん研究センター」より引用
【解説】年齢別に前立腺がん罹患率を見ると、50代から増え始め、ピークは70歳代後半である。つまり、働く現役世代の罹患率はそこまで多くない。※ただし、現代日本社会は、働く世代の高齢化も課題となっている。

がん情報サービス:国立研究開発法人国立がん研究センター」より引用
【解説】男性における、部位別死亡率を見ると、肺がん、大腸がん、胃がん、すい臓がんと比べて、前立腺がんがきわだって高いわけではない。

がん情報サービス:国立研究開発法人国立がん研究センター」より引用
【解説】年齢別に死亡率を見ると、60代から少しずつ増え始め、70代から急に増える。

がん情報サービス:国立研究開発法人国立がん研究センター」より引用
【解説】前立腺がんの生存率は、5年生存率でみても8割を超えており、非常に高い水準と言える。

がん情報サービス:国立研究開発法人国立がん研究センター」より引用
【解説】PSA値は、基準値(4ng/mL以下)を超えても、前立腺がんの発見率は20%程度しかない。

日本泌尿器科学会サイトより引用
動画はワーク終了後に確認してください。

