職域のがん検診を学ぶ eラーニング

|IV|労働衛生機関向け:産業保健スタッフ

|IV-3|シナリオ
PSA検査 編

対象と設定

|対 象|労働衛生機関の産業保健スタッフ

|設 定|登場する人物と企業の概要

菊池
山田
田中
佐藤

XX株式会社の概要

  • A社の関連会社で、自動車部品の製造業部門を担う。
  • 従業員数200名(男女比6:4)、年齢層:30代~60代(平均年齢48歳)。
  • 胃がん検診と大腸がん検診を実施している。

ストーリー

─ YY労働衛生機関の佐藤は、ある日、来年度の健診プランについて情報共有を行うため、XX株式会社に訪問しました。すると、XX株式会社の健診担当者から、がん検診のことで相談があると言われました。

田中

佐藤さん、がん検診のことで相談があります。先日、山田社長に「従業員の健康のためになることをもっとしたい。うちの企業は高齢化も進んでいるし、男性社員の割合も多い。会社で取り組んでいるがん検診を強化するために、PSA検査を導入できないだろうか。」と相談されました。うちの会社は男性社員も多く、また高齢化も進んでいて、実際に前立腺の病気で治療している者もいます。社員の声としてもPSAを測ってほしいという声が聞こえます。私としては、PSA検査はオプションで付けるだけなので、追加したらいいのではないかと考えてみたのですが、佐藤さんのご意見を伺いたいです。

佐藤

なるほど、ご相談いただきありがとうございます。一度、私どもの労働衛生機関に話を持ち帰り、当機関に所属する産業保健スタッフと検討いたしますので、時間をください。

ワーク(15分)

あなたは、労働衛生機関の産業保健スタッフの菊池です。
田中総務部長からの相談を受け、佐藤(渉外担当)は、一度、YY労働衛生機関内に話を持ち帰り、改めて返答するとしました。菊池(あなた)は、佐藤から産業保健職としての意見を伺いたいと相談を受けました。あなたは、産業保健スタッフとして、佐藤には、PSA検査による前立腺がんの発見率や死亡率の関係や、精密検査による偶発症などを説明の上、最終的には「心配な人がこれらのリスクを理解した上で受けるのであれば、健診項目に追加することは可能」というリスクコミュニケーションを図ってほしいと考えています。佐藤がこうしたリスクコミュニケーションを田中総務部長(顧客)とできるように、産業保健スタッフとしての見解を考えてください。

資料

【解説】前立腺がんについて、1990年代のPSA検査普及拡大以降、その罹患率は上昇しているが、死亡率は大きく変化していない。

資料1

がん情報サービス:国立研究開発法人国立がん研究センター」より引用

【解説】男性の部位別のがん罹患率上位に前立腺がんは入る。

資料

がん情報サービス:国立研究開発法人国立がん研究センター」より引用

【解説】年齢別に前立腺がん罹患率を見ると、50代から増え始め、ピークは70歳代後半である。つまり、働く現役世代の罹患率はそこまで多くない。※ただし、現代日本社会は、働く世代の高齢化も課題となっている。

資料

【解説】男性における、部位別死亡率を見ると、肺がん、大腸がん、胃がん、すい臓がんと比べて、前立腺がんがきわだって高いわけではない。

資料

がん情報サービス:国立研究開発法人国立がん研究センター」より引用

【解説】年齢別に死亡率を見ると、60代から少しずつ増え始め、70代から急に増える。

資料

がん情報サービス:国立研究開発法人国立がん研究センター」より引用

【解説】前立腺がんの生存率は、5年生存率でみても8割を超えており、非常に高い水準と言える。

資料

がん情報サービス:国立研究開発法人国立がん研究センター」より引用

【解説】PSA値は、基準値(4ng/mL以下)を超えても、前立腺がんの発見率は20%程度しかない。

資料

日本泌尿器科学会サイトより引用

動画で学ぶ(6分)

動画はワーク終了後に確認してください。