コストセンターの側面を持つ安全衛生・健康管理部署の活動を評価する際、どの活動に、いくら支出しているか、費用分析を行うことは重要です。その際、単に帳簿にのっている数字を拾い上げるのみでなく、各活動を1つ1つ分析しながら記述、算出していくことで、より詳細な分析を行うことが可能となります。
ある事業所の具体例を示します。(衛生・健康管理コストの例です)
(算出には、衛生・健康管理コスト集計表を使用しています)
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基本情報
コストは、人件費(A表)と、活動別のコスト(B表)に分けて算出します。
人件費(A表)は、主に衛生・健康管理が主業務である者の人件費を算出します。
該当者の業務の100%が衛生・健康管理業務でない場合は、人件費を業務割合で按分するよう注意が必要です。
次に、活動別のコスト(B表)を算出します。
15の活動に分類しています。
1.緊急・救急対応の具体例を示します。
このツールの特徴は、この表を見るだけで、どのような活動を行ったかを把握することができることです。
赤枠内は、救急救命講習(4時間)を年1回実施しており、80人が受講したことを示しています。1人1時間当たりの人件費(3,378円)を使用することで、受講をするために職場を離脱した分の人件費も算出しています。
分析結果
衛生・コスト集計表をすべて入力すると、次のような分析を行うことができます。
人件費の内訳
この事業所では、衛生・健康管理専任のスタッフより、現場の社員が行う活動の人件費の方が大きいことがわかります。
その現場の社員が、どのような活動に従事しているかを以下に示します。
また、どのような活動に支出(経費、投資額)しているか、を示します。
7で示した経費の内訳(割合)をグラフで示すと、次のようになります。
コスト集計表を使用するメリットは、
・活動をわかりやすく可視化することができる(活動記録としても利用できる)
・コストの分析を行うことで、戦略的な投資戦略を立案できる