効果

経済的評価には、主に3つの分析手法があります(費用対効果、費用対効用、費用対便益)。経済的評価は、まず誰の立場に立った分析かが問題になります(社会全体の立場、企業の立場、労働者の立場等)。本研究では、企業(経営者)の立場で分析を行います。

経済的評価(economic evaluation)における評価指標について、国内外の文献検索を行った結果、以下のようにまとめることができました。

業務上疾病数の削減、休業者数・日数の削減は、多くの企業が評価指標として取り上げています。

北米やEUでは経済的評価の研究が進んでいます。
米国では、産業保健活動と生産性の向上(Health related productivity)との関連をみる研究が多く行われています。例えば、Presenteeism(出勤している労働者の健康問題による労働遂行能力の低下であり、主観的に測定が可能なもの, 山下ほか, 産業衛生学雑誌 48(6), 201-213, 2006)という概念で、アレルギー疾患や片頭痛等の症状による生産性の低下を用いて産業保健活動の効果を評価しています。 英国では、5つの評価項目(2つの定性的指標:Health and Safety Management, Occupational Health、3つの定量的指標:Injury Rates, Serious Incidents Rates, Employee Sickness Absence Rates)でデータを収集し、ベンチマークとなる指標を作成しています。
英国HSEのCHaSPI:http://www.chaspi.info-exchange.com/

日本において、どのような評価指標が適切か、検討を進めていく予定です。

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