研究テーマ

健康経営・健康投資研究

企業の健康管理をどのように戦術的・戦略的に行っていくかというテーマに関連した研究を行っています。労働者の健康や労働生産性を改善するための効果的な手法の検討、および、費用対効果・便益分析等の経済評価に関する研究を行っています。また、これらの課題について、2013年度からコラボへルス研究会をたちあげ、参加企業・健保と協働で検討しています。10万規模の健診データ、レセプトデータ、就労データを統合し、観察研究・介入研究をすすめています。コラボへルス研究会の詳細は、こちら http://www.collabo-health.jp/

 

コラボへルス研究会の研究成果

ブレスローの健康習慣が増えるとプレゼンティーイズムは改善する

結論:良好な生活習慣の数が増えることにより、プレゼンティーイズムが改善しました。この関係には、心理的ストレス反応が関係していることも明らかになりました。

研究目的:生活習慣の変化とプレゼンティーイズムの変化との関係性を明らかにすること、また、その関係に心理的要因が及ぼす影響を明らかにすること

研究デザイン:前向きコホート研究

対象:日本の労働者

ばく露要因:ブレスローの7つの健康習慣を定期健康診断(標準的な質問票)で聴取した

アウトカム:QQmethodでプレゼンティーイズムを評価(従業員アンケート)

共変量:心理的苦痛をK6を用いて評価

解析方法:重回帰分析

結果

文献 Adi NP, Nagata T, Odagami K, Nagata M, Kajiki S, Kuroishi M, Mori K. Association between lifestyle habits and presenteeism. Occup Med (Lond). 2023. 73(6): 346-352.

男性交代勤務者は高血圧や糖尿病での医療機関への受診率が低い

文献 Adi NP, Nagata T, Mori K, Kubo T, Fujimoto K, Ohtani M, Odagami K, Nagata M, Kajiki S, Fujino Y, Matsuda S. Seeking Treatment Profile of Male Shift Workers With Hypertension and Diabetes. J Occup Environ Med. 2023. 65(9): 783-788.

高ストレス者は非高ストレス者と比較してプレゼンティーイズム損失コストが大きい

文献 Nagata T, Ito R, Nagata M, Odagami K, Kajiki S, Fujimoto K, Matsuda S, Mori K. The differences of the economic losses due to presenteeism and treatment costs between high-stress workers and non-high-stress workers using the stress check survey in Japan. J Occup Health. 2022. 64(1): e12346.

産業保健実務

災害が発生した際、様々な要因によって長い期間にわたって労働者の健康課題が発生します。状況は急激に変化するため、健康課題の発生を予測しながら対策を図らねばなりません。そのような災害時の産業保健活動を、体制作りから実践まで、事例分析や応用を通して確立する研究を行っています。

マネジメントシステム

日本企業が海外進出した際、製品やサービスの品質管理だけでなく、現地拠点における安全衛生レベルの向上を図らなければなりません。しかし、現実的には労働衛生分野の取組みは遅れています。そこで、労働安全衛生マネジメントシステムを基盤とするとともに、各国専門家を活用したモデルづくりを、建機メーカーと協力して行っています。その過程で作成された情報収集ツールや各国の情報も、論文として順次発表しています。その他 産業医の実務に関する研究 産業医に求められる役割、必要な知識は時代とともに変化していきます。 当研究室は産業医の養成とともに、産業医に必要な教育、産業医の実務に役立つ研究を行っています。現在取り組んでいるテーマは、がんなどの疾病を抱える労働者や発達障害を有する労働者に必要な支援、一般定期健康診断の在り方などに関する研究です。

労働者の健康実態調査

海外

その他