新型コロナウイルス流行に伴い急遽はじまったテレワークの健康影響

 新型コロナウイルスの流行に対する企業内での取組みについて、多くの産業医・産業看護職の努力で、多くの知見が共有され、対策が強化されています。緊急事態宣言の発令以降、感染防止のために多くの企業でテレワークが導入されていますが、もともとの準備状況が不十分な場合には、様々な健康影響も出てくることが懸念されています。このことに対して、すでに従業員に注意事項を出すなど、対策を講じている企業も少なくありません。しかし、事態の長期化が予想されており、今後、テレワークによる負の影響が顕在化することが懸念されます。

 この度、産業医科大学産業生態科学研究所(産業保健経営学研究室・環境疫学研究室合同プロジェクト)において、Health Impact Assessment(HIA)を新型コロナウイルス対策としてのテレワークに適用し、その健康影響を幅広く検討しました。HIAとは、行政や企業において諸施策を導入する際、広く健康への影響を予想し、意思決定者に対して施策の一部として施策修正や追加施策を推奨するための手法です(HIAについては別途解説があります)。ここまで、実務経験の長い統括産業医の先生などにご協力を得て、推奨意見案の作成を行いました。まずは、対策の参考にしていただければと思います。

 しかし、実践可能な対策の提示が十分とは言えません。各企業における対策や経験をインプットいただき、その内容を充実させ、対策の共有が図ることができれば、今回のHIAを用いた取組みの貢献を極大化できるのではないかと考えました。そこで、本ホームページを、“新型コロナウイルス対策として導入されたテレワーク施策における健康影響の防止・改善”のためのプラットフォームとして活用いただくことを提案したいと思います。

(HIAのプロセスについて)

 

 HIA実施メンバー   伊東大輔, 永田智久, 永田昌子, 藤本亜弓, 伊藤遼太郎, 藤野善久, 森晃爾

                              小山一郎, 梶木繁之, 上原正道, 小田上公法, 小林祐一, 土肥誠太郎

 

健康影響を受ける人は?

 テレワークとなった働く人の健康に影響があるのはもちろんですが、その家族、また、重要な観点として、本人は感染リスクを下げるためにテレワークをしたいけれども業務の都合によりテレワークにすることができなかった働く人も影響を受ける可能性があることです。 

どのような健康影響があるのか?

(良好事例を募集しています。連絡先は下へ)                   

1.テレワークとなった働く人 *クリックすると詳細を表示

 生活習慣

                      【優先】【労働者の声】のマークについては、こちら

 【優先】【労働者の声】身体活動量の低下が懸念されます

 【優先】【労働者の声】1人暮らしの人など孤立感が予想されます

             【労働者の声】生活習慣の変化(食生活、飲酒、喫煙など)が予想されます

 【優先】【労働者の声】生活リズムの変化が予想されます  

            通勤時間の減少・通勤時のストレス軽減が期待されます

 仕 事

 【優先】【労働者の声】コミュニケーションが取りにくいことによる生産性低下が懸念されます

 【優先】【労働者の声】労働時間の変化や休憩時間の不足が考えられます   

 【優先】【労働者の声】新しいシステム導入による変化へのストレスが懸念されます

             【労働者の声】上司による業務管理やマネジメントの低下が懸念されます

 【優先】【労働者の声】テレワークによる肩こり・腰痛が懸念されます

 【優先】       セキュリティ上の情報漏洩リスクが懸念されます  

 【優先】       通信環境の悪化による生産性低下が懸念されます  

                    健康問題による労働生産性の低下(プレゼンティーイズム)が懸念されます

                    仕事の進め方が変化することで、業務効率化が期待できます

                    会議時間の変化が考えられます

 家庭・地域

 【優先】【労働者の声】家族との関係性の変化が予想されます

 疾病・医療

 【優先】【労働者の声】受診のしやすさの変化・疾病コントロールへの変化が予想されます

 【優先       感染リスクの低下・感染に対する不安感の軽減が予想されます  

 

2.テレワークの対象でなかった働く人 *クリックすると詳細を表示

 生活習慣

                    通勤時のストレス軽減・通勤時間の減少が期待されます

 仕 事

 【優先】【労働者の声】テレワークの対象とならなかったことへの不満/不安が懸念されます

 【優先】【労働者の声】コミュニケーションが取りにくいことによる生産性低下が懸念されます

                    業務量の変化が考えられます

                    会議時間の変化が考えられます

                    新しいシステム導入など変化へのストレスが懸念されます

 家庭・地域

 【優先】【労働者の声】家族に感染させてしまうかもしれない不安が高まります

 疾病・医療

 【優先】       感染するリスクが(テレワークの労働者と比較して)高い 

 【優先】【労働者の声】感染するリスクに対する不安が高まります

3.テレワークとなった働く人の家族 *クリックすると詳細を表示

 生活習慣

                    家事負担の増加が考えられます

                    飲酒量の増加が懸念されます

                    受動喫煙の増加が懸念されます

 家庭・地域

 【優先】【労働者の声】外出できないストレスの増加が懸念されます

                    地域社会との関わりが減少し、家族との関わりが増加します

 疾病・医療

                    感染リスクの低下・感染に対する不安感の軽減が予想されます

 

                       【優先】【労働者の声】のマークについては、こちら

 

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 連絡先:産業保健経営学研究室

 

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